新湘南電鐵 横濱工廠archive

shinshonan.exblog.jp
ブログトップ
2017年 05月 05日

電気のお勉強その9 抑速回路の安全性の検証

電気のお勉強の最後です。
抑速回路の検証も終わり、表計算も可能になりましたので、いろいろな条件を入れて抑速回路のの安全性、限界の検証をしておきましょう。

さて、最終章、安全性の検証ですが、その前にここまでの話と実際は一致するのか、を確認しておきましょう。
これをしないと机上の空論で何の意味もなくなりますからね~(^^)

車輌は現在マヌ34とスハ32を牽いて仙山線ごっこをしているED14を使いましょう。
c0207199_152285.jpg
このED14の走行時電流は、以前の測定で電圧6Vのときに0.087Aでした。
c0207199_15307.jpg
6Vで0.087Aなので、単純に抵抗を計算すると
6/0.087≒68.96Ω。
まあ69Ωとしておきましょう。
※正確な計算値ではありません。

ポテンショメーターは50Ωに設定してみましょう。
c0207199_1533188.jpg
これらの数値を表計算に入れてポテコ抵抗(ポテンショメーターと固定抵抗の並列接続の合成抵抗)の端子電圧を求めると、1.596Vとなるのだそうです(^^)
c0207199_1552885.jpg
実際に電圧6VをかけてED14を走らせ、ポテコ抵抗の端子電圧を測定してみました。

結果がこれです。
1.6V弱。
1.57V~1.58Vくらいですね。
計算値が1.596Vですから、一致したと言ってよさそうです。

一応、表計算が正しいかも再確認しておきましょう。
モーター抵抗69Ω、ポテンショメーター50Ω、固定抵抗50Ω、電圧6Vです。
ポテコ抵抗(ポテンショメーターと固定抵抗の並列合成抵抗)は50Ω/2=25Ω。
モーターとポテコ抵抗の直列合成抵抗は69Ω+25Ω=94Ω。
流れる電流は6V/94Ω=0.06383A
ポテコ抵抗にかかる電圧は0.06383A×25Ω=1.5957V
はい、合ってます。
ちなみにポテンショメーターの電力値は1.5957V×1.5957V/50Ω=0.0509W
なので0.5W以下です。
c0207199_1565056.jpg

計算と実際でこの端子電圧が一致したということは、ポテンショメーターの電力計算も正しいことになります。
電力=電圧×電流=電圧×電圧/抵抗、ですからね。

これで計算式と表計算が安心して使えます(^^)

では安全性の検証、まずは動力車重連、つまり動力車2輌の場合です。
数値は違いますが、室内灯や前照灯も似たような考え方ができます。

下図のようなつなぎ方になりますね。
モーターが並列接続です。
c0207199_1583299.jpg
この場合、基本は抵抗の並列接続と同じ考え方でできますから、
モーター1台の抵抗を40Ωとすると、2個では40Ω/2個=20Ωです。
※極端に特性の違うモーターはちょっと複雑になります。
ここは同じモーター、例えば16輌編成の新幹線に2モーターとか、です。

電源電圧12Vをかけた場合、ポテンショメーター1Ω~100Ω時の電力値が下図です。
ほぼ全域でポテンショメーター電力が0.5Wを超えます。
1Ω、つまりほとんどポテンショメーターの抵抗がゼロの場合のみ、0.5W以下になります。
グラフの曲線がモーター車1台40Ωのときと異なり、最大値が15Ω付近に来ます。
c0207199_1594495.jpg
では、40Ωのモーター搭載の動力車重連でポテンショメーター電力が0.5Wを超えない電圧はいくらなのか?

下図の通り、7.5Vくらい。
もちろんモーターの抵抗が変わればこの値も変わります。
これはあくまで1個40Ωが2個の時です。
c0207199_15112163.jpg
では、1Ω単位でもう少し細かく見てみましょうか。
まず、速度的に使いやすい30Ωではどうか、一番上の図です。
元電源電圧 8Vくらいですね。
これなら実用上、使えそうです。

その下は電圧12V時と7.5V時、一番電流が大きくなる15Ω付近を1Ω単位で見てみました。
c0207199_15121070.jpg
c0207199_15131659.jpg
c0207199_1515212.jpg


ここでまた、重連運転の時にポテンショ電力がどうなるか、実検証してみましょう。
元電源電圧は6V、ポテンショメーター抵抗は50Ωで行ないます。
トラクションタイヤの回転差がモーターの負荷を変えてしまうため、動力車はできるだけ特性が近い方が良いので、Bトレの上信デキ2と3を使いました。
条件を同じにするためにヘッドライトは点灯しない方向にしています。

測定はポテコ抵抗の端子電圧で行ないます。

まずは機器のセットです。
前回の測定時、BトレDD51の走行時電流は電圧6Vで0.105Aでした。
そうするとモーターの抵抗は概算値で6V/0.105A=57.14Ωです。
この数値を計算表に入れるとポテコ抵抗端子電圧は1.826Vになるはずですから、そうなるようにパワーパック電圧やポテンショ抵抗をセットしました。
c0207199_15165541.jpg
c0207199_15172676.jpg
c0207199_1518140.jpg


先にデキ2輌のモーター単体の抵抗を求めるため、6Vで走行させてポテコ抵抗にかかる端子電圧を測定しました。
まずはデキ2です。

ポテコ抵抗端子電圧の測定結果は1.45V。
計算表でポテコ端子電圧が1.45Vになるようなモーター抵抗を探ると78Ωでした。
c0207199_15272719.jpg
c0207199_1528360.jpg
c0207199_15292614.jpg
次にデキ3です。
ポテコ抵抗端子電圧は1.1Vでした。

この時のモーター抵抗は111Ω
※もちろんモーターには全負荷がかかっていませんので、この111Ωは絶対的な値ではありません。
重連時の抵抗を計算するために求めた仮の値です。
c0207199_15301799.jpg
c0207199_1531271.jpg
c0207199_15313979.jpg
今度は重連です。
モーター抵抗(仮の値)はデキ2が78Ω、デキ3が111Ω、その並列接続ですから、
モーター全体の抵抗は例の最終兵器(9)で
合成抵抗=抵抗1×抵抗2/(抵抗1+抵抗2)を使うと
合成抵抗=78×111/(78+111)=45.81Ω。

これを計算表に入れると元電源電圧6Vでポテコ抵抗端子電圧は2.11Vほどになるようです。
c0207199_15322980.jpg
で、実測値が下図です。
2Vちょっとですね。
概ね計算式と一致しました。
c0207199_15332294.jpg
下に元電源電圧12Vのときの計算表を載せてみました。
Bトレ動力の重連なら12Vかけてもポテンショメーター電力は0.359Wで、限界の0.5Wを超えることは無いようです。
c0207199_15341430.jpg


★ショートしたら??

最後に見ておきたいのは最も危険な場合です。
車輌が脱線したりしてショートしたらポテンショメーターにはどれほどの電力がかかるのか?
ショートと言うことは、モーター側の抵抗が0Ωになるということです。
つまり、こういう状態。
c0207199_1536976.jpg

それでは電圧12V、モーター抵抗0Ωを計算表に入れてみましょう。
ポテンショメーター電力のグラフ曲線が今までと全然違いますね。
c0207199_15373329.jpg
もう、元電源電圧12Vかかっていたらポテンショメーターがいくらの設定でも一発で焼けますね。

次に、何ボルトなら焼けずに済むのか?
下の表で見てみると、安全な電圧は0.7Vくらいです。
これは車輌が走行しない電圧ですから使えませんね。
c0207199_15381371.jpg
それではポテンショ50Ωの時、元電源電圧何ボルトまでなら車輌がショートしてもポテンショ電力0.5W以下で耐えられるのか?

それが下図です。3.87Vくらい。
車輌がようやく動くか動かないか、というところです。
やはり、ショート時は一刻も早く電源を切ることが重要ですね。

さて、これで一連の電気のお勉強は終わりです。
最後までお読み戴きましてありがとうございました。
また、BBSからの転載のためもあり、途中ちょっとお見苦しい点がありましたこと、お詫び申し上げます。
c0207199_1538468.jpg



ちょっと追補します。
固定抵抗と並列にせず、ポテンショメーターだけだったら抑速回路にならないのか?という疑問が出ますよね。
そこで、ポテンショメーターだけの場合を検証してみましょう。
下図のような回路です。
c0207199_15404830.jpg
計算表に固定抵抗無限大(無限はないので10000000くらい)を入れてみました。
12Vではほとんど0.5Wを超えてしまい、運転できません。
9Vくらいでやっとでしょうか。
でも、ちょっとオーバーしたらもたないです。
これがポテンショメーターと固定抵抗を並列接続にした理由なんです。

これでほんとに終わりです。
c0207199_15413148.jpg
c0207199_15414149.jpg

[PR]

# by nari-masa | 2017-05-05 15:19 | 電気制御 | Comments(0)
2017年 05月 05日

電気のお勉強その8 ラストステージ ポテンショメーターにかかる電力値

ついにここまで来ましたね。
ラストステージ、ラスボスです。
c0207199_14402585.jpg


ポテンショメーターの電力値、0.5W(500mW)以下ならOKなんですが、
これは護符(6)
電力(W)=電圧(V)×電圧(V)/抵抗(Ω)
で一気に攻略しましょう。

ポテコ抵抗全体にかかる端子電圧はそのままポテンショメーターにかかっていますから、端子電圧×端子電圧/ポテンショメーター抵抗値で電力Wが出ます。

その1、ポテンショメーター1Ωの時

ポテンショメーター1Ωの時、ポテコ合成抵抗1=0.98Ω、ポテコ抵抗にかかる端子電圧1は0.287Vでしたね。
これを護符(6)に入れると
電力値W=0.287V×0.287V/1Ω=0.082W
が出てきました。
これがポテンショメータ1Ωのときのポテンショメータに加わる電力値です。
0.5W以下なのでセーフですね。

ちょっと追補します。
護符(4)は
電力(W)=電圧(V)×電流(A)
で、これが元々の式です。

で、護符(2)が
電流(A)=電圧(V)/抵抗(Ω)
ですから、本来ラストステージは2段階に計算すべきなのです。

これを簡単にするために護符(6)
電力(W)=電圧(V)×電圧(V)/抵抗(Ω)
を作ったのですが、一度きちんと計算をやっておきましょう。

まず、護符(2)で電流を求めます。
電流(A)=電圧(V)/抵抗(Ω)=0.287(V)/1(Ω)=0.287(A)

次に護符(4)で
電力(W)=電圧(V)×電流(A)=0.287(V)×0.287(A)=0.082(W)
になります。
同じ0.287でも単位が違うことに注意してくださいね。
追補おわり。

これで一連のステージが終わりました。


それでは引き続き、ポテンショメータ50Ωと100Ωも計算してしまいましょう。

その2、ポテンショメーター50Ωの時の電力値

では、次に50Ωの計算をしましょう。
1Ωで一度通っていますから、多分大丈夫でしょう(^^)

ステージ3です。
ポテンショメーター50Ω、固定抵抗50Ωの時、ポテコ合成抵抗(2)=25Ω
なので、モーターとポテコ抵抗の合成抵抗は新装備(7)で
40Ω+25Ω=65Ω

今度は護符(2)
電流(A)=電圧(V)/抵抗(Ω)で、
ポテンショメーター50Ωの時、モーターとポテコ抵抗の合成抵抗は65Ω、全体にかかる電圧は12Vなので、
電流値2=12V/65Ω=0.185A

次はステージ4
護符は(1)
電圧(V)=電流(A)×抵抗(Ω)を使います。

ポテンショメーター50Ωの時、ポテコ合成抵抗2=25Ω、電流値2=0.185A
でしたから、ポテコ抵抗にかかる端子電圧2は
0.185A×25Ω=4.625V

この時モーター(40Ω)にかかる端子電圧は
0.185A×40Ω=7.4V
なので、

ポテコ抵抗端子電圧+モーター端子電圧=4.625V+7.4V≒12V
で検算OKですね。

最後はラストステージ。
使う護符は(6)
電力(W)=電圧(V)×電圧(V)/抵抗(Ω)。

ポテンショメーター50Ωの時、ポテコ抵抗にかかる端子電圧2は4.625Vでしたから、
電力値W=4.625V×4.625V/50Ω=0.427W
ぎりぎりですけど、0.5W以下なのでセーフですね。

では最後は100Ωです。

その3、ポテンショメーター100Ωの時の電力値

では、100Ω、いきましょう。
今回は護符や新装備を言いませんので、どのお札を使ったか考えながら解いてくださいね。

ステージ3です。
ポテンショメーター100Ω、固定抵抗50Ωの時、ポテコ合成抵抗(3)=33.333Ω
なので、モーターとポテコ抵抗の合成抵抗は40Ω+33.333Ω=73.333Ω

ですから、
電流値3=12V/73.333Ω=0.164A

ステージ4
ポテンショメーター100Ωの時、ポテコ合成抵抗3=33.333Ω、電流値3=0.164A
なので、ポテコ抵抗にかかる端子電圧3は
0.164A×33.333Ω=5.467V

この時モーター(40Ω)にかかる端子電圧は
0.164A×40Ω=6.56V
ポテコ抵抗端子電圧+モーター端子電圧=5.467V+6.56V≒12V
はい、OKですね。

最後はラストステージ。

ポテンショメーター100Ωの時、ポテコ抵抗にかかる端子電圧3は5.467Vでしたので
電力値W=5.467V×5.467V/100Ω=0.298W
全然OKですね。

1Ω、50Ω、100Ωの3種類で、50Ωが一番電力が大きかったですね。

そこで、1Ωから100Ωまで5Ω刻みで電力値がどうなるか、ちょっとEXCELを使って表とグラフを作ってみました。
面白い曲線になりますね~。
c0207199_14531847.jpg


では電力がピークになる抵抗はいくら?
こんどは一番高そうなところを1Ω単位で見てみましょう。
c0207199_14572111.jpg

c0207199_1456346.jpg

c0207199_14555086.jpg
ポテンショメーター22Ωのあたりが一番ポテンショメーターの電力が高くなるようです。
電圧12Vを超えると0.5Wをオーバーします(まん中の表の黄色くなっているところ)。
でも電圧6V(一番下の表)なら電力値がかなり低くなりますから、通常使用には問題ないようですね。

ステージ3~ラストステージの新バージョンも終わりです。
お疲れ様でした。

次回は別スレッドでこの計算表にいろいろな値を入れて、この抑速回路の安全性を見ることにしましょう。
こちら
それでこのお話は終わりになります。
[PR]

# by nari-masa | 2017-05-05 14:58 | 電気制御 | Comments(0)