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2017年 05月 05日

電気のお勉強その9 抑速回路の安全性の検証

電気のお勉強の最後です。
抑速回路の検証も終わり、表計算も可能になりましたので、いろいろな条件を入れて抑速回路のの安全性、限界の検証をしておきましょう。

さて、最終章、安全性の検証ですが、その前にここまでの話と実際は一致するのか、を確認しておきましょう。
これをしないと机上の空論で何の意味もなくなりますからね~(^^)

車輌は現在マヌ34とスハ32を牽いて仙山線ごっこをしているED14を使いましょう。
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このED14の走行時電流は、以前の測定で電圧6Vのときに0.087Aでした。
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6Vで0.087Aなので、単純に抵抗を計算すると
6/0.087≒68.96Ω。
まあ69Ωとしておきましょう。
※正確な計算値ではありません。

ポテンショメーターは50Ωに設定してみましょう。
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これらの数値を表計算に入れてポテコ抵抗(ポテンショメーターと固定抵抗の並列接続の合成抵抗)の端子電圧を求めると、1.596Vとなるのだそうです(^^)
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実際に電圧6VをかけてED14を走らせ、ポテコ抵抗の端子電圧を測定してみました。

結果がこれです。
1.6V弱。
1.57V~1.58Vくらいですね。
計算値が1.596Vですから、一致したと言ってよさそうです。

一応、表計算が正しいかも再確認しておきましょう。
モーター抵抗69Ω、ポテンショメーター50Ω、固定抵抗50Ω、電圧6Vです。
ポテコ抵抗(ポテンショメーターと固定抵抗の並列合成抵抗)は50Ω/2=25Ω。
モーターとポテコ抵抗の直列合成抵抗は69Ω+25Ω=94Ω。
流れる電流は6V/94Ω=0.06383A
ポテコ抵抗にかかる電圧は0.06383A×25Ω=1.5957V
はい、合ってます。
ちなみにポテンショメーターの電力値は1.5957V×1.5957V/50Ω=0.0509W
なので0.5W以下です。
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計算と実際でこの端子電圧が一致したということは、ポテンショメーターの電力計算も正しいことになります。
電力=電圧×電流=電圧×電圧/抵抗、ですからね。

これで計算式と表計算が安心して使えます(^^)

では安全性の検証、まずは動力車重連、つまり動力車2輌の場合です。
数値は違いますが、室内灯や前照灯も似たような考え方ができます。

下図のようなつなぎ方になりますね。
モーターが並列接続です。
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この場合、基本は抵抗の並列接続と同じ考え方でできますから、
モーター1台の抵抗を40Ωとすると、2個では40Ω/2個=20Ωです。
※極端に特性の違うモーターはちょっと複雑になります。
ここは同じモーター、例えば16輌編成の新幹線に2モーターとか、です。

電源電圧12Vをかけた場合、ポテンショメーター1Ω~100Ω時の電力値が下図です。
ほぼ全域でポテンショメーター電力が0.5Wを超えます。
1Ω、つまりほとんどポテンショメーターの抵抗がゼロの場合のみ、0.5W以下になります。
グラフの曲線がモーター車1台40Ωのときと異なり、最大値が15Ω付近に来ます。
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では、40Ωのモーター搭載の動力車重連でポテンショメーター電力が0.5Wを超えない電圧はいくらなのか?

下図の通り、7.5Vくらい。
もちろんモーターの抵抗が変わればこの値も変わります。
これはあくまで1個40Ωが2個の時です。
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では、1Ω単位でもう少し細かく見てみましょうか。
まず、速度的に使いやすい30Ωではどうか、一番上の図です。
元電源電圧 8Vくらいですね。
これなら実用上、使えそうです。

その下は電圧12V時と7.5V時、一番電流が大きくなる15Ω付近を1Ω単位で見てみました。
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ここでまた、重連運転の時にポテンショ電力がどうなるか、実検証してみましょう。
元電源電圧は6V、ポテンショメーター抵抗は50Ωで行ないます。
トラクションタイヤの回転差がモーターの負荷を変えてしまうため、動力車はできるだけ特性が近い方が良いので、Bトレの上信デキ2と3を使いました。
条件を同じにするためにヘッドライトは点灯しない方向にしています。

測定はポテコ抵抗の端子電圧で行ないます。

まずは機器のセットです。
前回の測定時、BトレDD51の走行時電流は電圧6Vで0.105Aでした。
そうするとモーターの抵抗は概算値で6V/0.105A=57.14Ωです。
この数値を計算表に入れるとポテコ抵抗端子電圧は1.826Vになるはずですから、そうなるようにパワーパック電圧やポテンショ抵抗をセットしました。
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先にデキ2輌のモーター単体の抵抗を求めるため、6Vで走行させてポテコ抵抗にかかる端子電圧を測定しました。
まずはデキ2です。

ポテコ抵抗端子電圧の測定結果は1.45V。
計算表でポテコ端子電圧が1.45Vになるようなモーター抵抗を探ると78Ωでした。
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次にデキ3です。
ポテコ抵抗端子電圧は1.1Vでした。

この時のモーター抵抗は111Ω
※もちろんモーターには全負荷がかかっていませんので、この111Ωは絶対的な値ではありません。
重連時の抵抗を計算するために求めた仮の値です。
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今度は重連です。
モーター抵抗(仮の値)はデキ2が78Ω、デキ3が111Ω、その並列接続ですから、
モーター全体の抵抗は例の最終兵器(9)で
合成抵抗=抵抗1×抵抗2/(抵抗1+抵抗2)を使うと
合成抵抗=78×111/(78+111)=45.81Ω。

これを計算表に入れると元電源電圧6Vでポテコ抵抗端子電圧は2.11Vほどになるようです。
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で、実測値が下図です。
2Vちょっとですね。
概ね計算式と一致しました。
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下に元電源電圧12Vのときの計算表を載せてみました。
Bトレ動力の重連なら12Vかけてもポテンショメーター電力は0.359Wで、限界の0.5Wを超えることは無いようです。
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★ショートしたら??

最後に見ておきたいのは最も危険な場合です。
車輌が脱線したりしてショートしたらポテンショメーターにはどれほどの電力がかかるのか?
ショートと言うことは、モーター側の抵抗が0Ωになるということです。
つまり、こういう状態。
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それでは電圧12V、モーター抵抗0Ωを計算表に入れてみましょう。
ポテンショメーター電力のグラフ曲線が今までと全然違いますね。
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もう、元電源電圧12Vかかっていたらポテンショメーターがいくらの設定でも一発で焼けますね。

次に、何ボルトなら焼けずに済むのか?
下の表で見てみると、安全な電圧は0.7Vくらいです。
これは車輌が走行しない電圧ですから使えませんね。
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それではポテンショ50Ωの時、元電源電圧何ボルトまでなら車輌がショートしてもポテンショ電力0.5W以下で耐えられるのか?

それが下図です。3.87Vくらい。
車輌がようやく動くか動かないか、というところです。
やはり、ショート時は一刻も早く電源を切ることが重要ですね。

さて、これで一連の電気のお勉強は終わりです。
最後までお読み戴きましてありがとうございました。
また、BBSからの転載のためもあり、途中ちょっとお見苦しい点がありましたこと、お詫び申し上げます。
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ちょっと追補します。
固定抵抗と並列にせず、ポテンショメーターだけだったら抑速回路にならないのか?という疑問が出ますよね。
そこで、ポテンショメーターだけの場合を検証してみましょう。
下図のような回路です。
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計算表に固定抵抗無限大(無限はないので10000000くらい)を入れてみました。
12Vではほとんど0.5Wを超えてしまい、運転できません。
9Vくらいでやっとでしょうか。
でも、ちょっとオーバーしたらもたないです。
これがポテンショメーターと固定抵抗を並列接続にした理由なんです。

これでほんとに終わりです。
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by nari-masa | 2017-05-05 15:19 | 電気制御 | Comments(0)


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